嵐山コロニー
旭川市江丹別町嵐山、道道98号より400mほど山に入った南向きの斜面に位置する。コロニーのある林はトドマツの植林地であるが広葉樹もかなり混じる。コロニーの周囲は樹高の低い広葉樹の林である。コロニーの北側は尾根を越えると広葉樹の疎林となる。
2001年10月30日、および11月8日と16日に行った調査では、トドマツ160本、ハルニレ17本、ケヤマハンノキ13本、シラカンバ13本、ミズナラ6本、イタヤカエデ2本、オオバボダイジュ1本の7種212本に、合計299巣を確認した。林床はチシマザサが優占するが、営巣木の下は植生がないところも多かった。コロニー内ではほとんど全ての木に巣がかけられていた。営巣面積は約6,400m2であった。
幌加内町の内海千樫氏によると、このコロニーは以前は道道に面した林にあったが、1998年に現在の場所に移動したという。この旧コロニーは現在のコロニーから約400m離れており、1989年頃に数羽で営巣を開始したのち40巣程度の規模になっていたという。地元の人によると、旧コロニーが移動したのは、隣接する林が伐採されたことが原因だろうという。なお、このコロニーの周辺では稲の苗が踏み倒される被害が出ており、サギ除けに打ち上げ花火をしているところもある。
【追記(2011年10月)】2001年に調査したコロニーは、一部営巣木の伐採により現在は消滅し、これに代わって、東に約100mと北東に約300m離れたところにそれぞれ新たなコロニーがつくられている。2010年11月24日にこれらふたつのコロニーを調査したところ、東のコロニーに37巣、北東のコロニーに212巣を確認した。2010年の営巣期にはこれらのコロニーはいずれも利用されている。東のコロニーのある林の持ち主によると、東のコロニーができたのは2008年か2009年頃ということである。北東のコロニーはそれ以前から利用され、2010年に調査した時点では新たに巣をかけられるスペースがほとんど無いような状態であった。これらのことから、東のコロニーは北東のコロニーの個体数が増加し一部が分散した結果つくられたものと考えられる。