砂川コロニー
砂川市空知太、函館本線沿いの防風林に位置する。コロニーから北西約600mのところを空知川が流れ、南西約1.5kmのところで石狩川と合流している。防風林の巾は約50mで、東側には水田と住宅地が広がり、西側は草地をはさんでJR函館本線が複線で通っている。コロニーの北側は約30mで広葉樹林に、南側は約35mでニセアカシア林に移行する。コロニーのある林は、巾10mほどの藪で3分割されている。
2003年10月5、11、12日に行った調査では、ドイツトウヒ201本とニセアカシア3本に211巣を確認した。3分割された林のうち北と中央の林は等間隔にきれいに植林されたドイツトウヒ林で、低木にはニセアカシアが多く見られた。林床は比較的すっきりしていてミゾソバが多く、他にホウチャクソウ、ツユクサ、タチギボウシ、アオミズ、ミヤマヤブタバコ、ツタウルシなどが見られた。また、林床はパッチ状に植生が欠落し裸地化している部分も多かった。一方、南の林はドイツトウヒにニセアカシアやヤチダモなどの広葉樹が雑然と混じる林で、林床は藪状であった。低木にはニセアカシア、ナナカマド、ミズナラ、ノリウツギ、タラノキ、エゾニワトコ、サワフタギなどが見られた。林床の草本には、ササ、オシダ、ミゾソバが多く、他にミズバショウ、ホウチャクソウ、ツタウルシなどが見られた。営巣面積は約5,800m2であった。
地元の人の話では、1994年か1995年頃にコロニーができたということである。最初の年にどのくらいの規模で営巣していたかについてはいくつかの情報がありはっきりしないが、多くとも2、30羽であったらしい。また、以前、アオサギは南の方の林にだけ営巣していたが、2001年か2002年頃から北の方の林にも巣をつくるようになったという。なお、周囲の水田では、アオサギによる苗の踏みつけ被害があるが、それほどの減収にはならないということである。コロニー近くの農家では案山子を立てるなどの対策をとっている。また、アオサギが水田に入るのは6月の中頃からだという。
【追記(2011年10月)】2003年に調査したコロニーは、営巣木が伐採されたため消滅している。現在は当時の場所から約400m南東のJR沿いの防風林に新たなコロニーがつくられている。2011年5月10日にこのコロニーを約250m西方から遠望したところ約40巣が確認できた。コロニーは線路沿いに少なくとも約250mにわたって続いており、巣数、範囲ともさらに規模が大きい可能性は高い。また、同日、旧コロニーより約2km北東の滝川公園内の山の斜面に2巣(少なくとも1巣は営巣中)を確認した。