占冠コロニー
占冠村占冠の植林された針葉樹林内にある。この林は約200m x 70mのカラマツ林であるが、南東の神社に面した一角だけがストローブマツであり、コロニーはこのストローブマツの林分を中心につくられている。コロニーから南東へ約100mのところをJR石勝線が通り、その先に国道237号と鵡川が平行してある。鵡川はコロニーの東でシム川およびパンケシュル川と合流する。林の周囲は牧草地や神社の敷地で開けている。
2002年10月24日の調査では、ドイツトウヒ16本とカラマツ3本に合計21巣を確認した。ストローブマツの林床は、草本は少なくわずかにササがある程度だったが、カラマツの林床はほとんどササに覆われていた。低木にはエゾニワトコ、ミズナラ、ミズキ、キタコブシ、オオバボダイジュ、ハリギリ、イチイなどが見られた。営巣面積は約400m2であった。
1993年11月7日の調査では、カラマツ3本に3巣を確認している。当時は全ての巣が東北に面した林縁につくられていた。この年の営巣面積は約100m2である。
地元の人によると、このコロニーは1991年頃にできたということである。なお、ここで営巣する前は、現在のコロニーから占冠の集落を隔てて北東へ約300mのところにコロニーがあった。この場所はすでに放棄されている。営巣していたのは山の南斜面で、植生はトドマツの多い針広混交林である。このコロニーから南に約80mのところを道道136号が走っている。このコロニーについては1992年10月21日に調査を行い、広葉樹6本に12巣を確認している。このときの営巣面積は約400m2である。また、1993年11月7日に行った調査では、営巣木7本に9巣を確認している。
占冠村役場によると、旧コロニーは1987年頃にはすでにあったということであるが、いつ頃まで利用されたのかは不明である。また、地元の人によると、現在の営巣場所から約200m南東の民家敷地内のシラカンバ林に、1995年頃から2年間、10巣ていどのコロニーがあったという。この間、現在の営巣場所が利用されていたかどうかは分からない。
この林は国有林で、一時伐採の予定があったが村の人々が営林署へ中止するように働きかけた結果、伐採を免れることができたという。また、このコロニーから約3.5km離れた養魚場では、アオサギによるニジマスやヤマメの食害があるため、池の全面をネットで覆い防除している。この養魚場にアオサギが飛来するようになったのは1987年頃からだという。地元の人によると、ここのアオサギは3月中に飛来するという。