沼の端コロニー
苫小牧市沼の端、勇払川と河跡湖に挟まれた平坦な広葉樹林に位置する。コロニーは勇払川の土手から西に約200m入ったところで、河跡湖からは約50m離れている。河跡湖は幅7、8mで対岸は工場の敷地である。林内の木は一様に小径木で、周囲もコロニーと同質の林が続いている。
2001年12月5日に行った調査では、ケヤマハンノキ12本、ミズナラ10本、シラカンバ6本、アズキナシ2本の4種30本に、計40巣を確認した。営巣面積は約1,200m2であった。林床には広葉樹の実生が多く見られた。
苫小牧市環境生活課によると、このコロニーは1997年に初めて確認されたということである。この年は野幌コロニーが消滅し、また植苗コロニーで巣数が急激に増加した年であり、これらのコロニーから当コロニーへ移動分散した可能性は高い。ただし、人の目に触れにくい場所であることから、それ以前にすでに成立していた可能性はある。なお、このコロニーでは1997年以降、苫小牧市の依頼で鳥獣保護員の宮崎正寛氏が毎年秋に営巣数をカウントしている。その結果を記した苫小牧市の資料によると、1997年42巣、1998年26巣、1999年18巣、2000年30巣、2001年38巣、2002年77巣、2003年123巣となっており、ここ数年、急速に増加している。
なお、コロニー周辺の地域は苫小牧市自然環境保全地区に指定されている。