江差コロニー
厚沢部町美和、丘陵地の谷間の小さな池のほとりにある。池の面積は約1,500m2で、この池を境に東が厚沢部町、西が江差町である。コロニーは池の東岸の斜面(平均斜度約20度)に沿ったカシワ林にある。林の東側は上り斜面で馬の放牧地が広がっている。林の西側は池を隔てて広葉樹とササ原の斜面である。池の南北はヨシ原となっている。
2003年11月24日に行った調査では、カシワ24本、ミズナラ6本、エゾヤマザクラ1本、シナノキ1本の4種32本に、合計78巣を確認した。低木には、イタヤカエデ、ハリギリ、エゾニワトコ、ツリバナ、ハイイヌツゲなどが見られた。林床はクマイザサが優占していた。営巣面積は約600m2であった。
江差町の津村氏によると、このコロニーは1985年頃にできたということである。また、その前年にはこのコロニーから北北西に約2km離れた厚沢部川右岸のクロマツ林に20から40くらいの巣があったという。このクロマツ林のコロニーは、当コロニーがつくられた年に消滅したということで、クロマツ林に営巣していたアオサギが当コロニーへ移ってきた可能性が高いと思われる。なお、旧コロニーが成立した年、および放棄の理由については不明である。また、現コロニの営巣範囲は以前にくらべ北へ延長してきたという。
同氏によると、この地域では20羽ほどのアオサギが越冬しているということである。また、このコロニーのアオサギは2月下旬から巣作りを初め、3月中旬に抱卵を開始するという。なお、1998年には数羽のゴイサギがアオサギとともに営巣していたそうである。