北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

音威子府コロニー

コロニーの全景

音威子府村音威子府の町外れ、道路と伐採跡に挟まれた細長いトドマツ林内にある。西側の道路は南へ約100mで国道40号に合流する。また、道路を越えて約50mでJR宗谷本線である。コロニーの東側はシラカンバの林だったが2002年に皆伐されている。

2002年10月27、29、30、31日に行った調査では、トドマツ96本、ケヤマハンノキ2本、オヒョウ2本の3種100本に、計137巣を確認した。コロニー内の高木はほとんどがトドマツであったが、ヤチダモ、ホオノキ、シラカンバ、ケヤマハンノキなどがわずかに交じっていた。低木はハリギリやオオカメノキが多く、他にミズナラなどが交じっていた。林床はササが多いが営巣木の下では植生の密度が薄かった。営巣面積は約1,800m2であった。

地元の人によれば、このコロニーは2001年につくられたという。それ以前は南南西へ約200m離れた鉄道防風林にコロニーがあった。防風林のコロニーはJR宗谷本線と国道40号に挟まれた巾約20mのドイツトウヒ林にあったもので、1992年10月30日の調査ではドイツトウヒ21本に23巣を確認している。この時の営巣面積は約600m2である。また、1993年11月27日と28日の調査では、営巣木30本に34巣を確認している。名寄野鳥の会の山末隆氏によると、防風林のコロニーでは1991年に初めて営巣を確認したという(山末 1992)。この防風林は木が大きくなったため、鉄道保安上の理由で2001年早春に皆伐されている。また、地元の人によると、防風林に営巣する前は国道40号東側の墓地のあたりで営巣していたというが、その場所で営巣を始めた時期については分かっていない。

参考文献
山末隆 1992 音威子府村におけるアオサギコロニーの誕生について あかげら 第10号 48 名寄野鳥の会

コロニーの位置(大きな地図で見る
緑:現コロニー 灰色:旧コロニー
コロニーの周辺環境
コロニーの内部