北海道アオサギ研究会

鳥獣保護法の指針(変更案)に対する意見への回答

環境省が策定した「鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針」に対し、先日、パブリックコメントにて意見を提出していたところ、10月27日に環境省HPにて回答が掲示されていました。今回は22人が297件の意見を提出したそうです。昨年、この指針の根拠となる鳥獣保護法の改正時に行われたパブリックコメントでは268人が1,386件の意見を提出していましたから、それに比べれば今回の指針に対する関心はずいぶん低いようです。以下に当研究会の意見と環境省からの回答をまとめます。

【該当箇所】1頁35行目から2頁4行目
【意見】「管理」という語の用い方が不適切。第一種管理、第二種管理のような中立的な表現を用いるべき。
【回答】法律上の用語のため、原文の通りとします。


【該当箇所】1頁35行目から2頁4行目
【意見】生息数の減少や生息地の縮小のみを「管理」の手段として定義するのは間違いであり、別の表現に改めるべき。
【回答】法律上、鳥獣について「管理」とは、「生物の多様性の確保、生活環境の保全又は農林水産業の健全な発展を図る観点から、その生息数を適正な水準に減少させ、又はその生息地を適正な範囲に縮小させることをいう。」と定義しているものであり、原文の通りとします。


【該当箇所】1頁35行目から2頁4行目
【意見】適正な水準の生息数、および適正な範囲の生息地という表現は規定が不可能である。別の表現に改めるべき。
【回答】法律上、鳥獣について「管理」とは、「生物の多様性の確保、生活環境の保全又は農林水産業の健全な発展を図る観点から、その生息数を適正な水準に減少させ、又はその生息地を適正な範囲に縮小させることをいう。」と定義しているものであり、原文の通りとします。

今回、当研究会から提出した意見は、基本的に不適切な用語についての見直しを求めたものです。これについては語句の定義自体がすでに鳥獣保護法で定まっていることもあり、もとより意味のある回答は期待していませんでした。しかし、今回指摘した用語は鳥獣管理の根幹に関わるものであり、これを間違って解釈すると鳥獣管理の現場に不用な混乱を招き、ひいては鳥獣の不用な駆除を助長しかねません。言葉の問題といって蔑ろにできるものではなく、引き続き別の機会で修正を要望していきたいと思います。