北海道アオサギ研究会

江別コロニーでのアライグマ防除対策

3月15日と16日の両日、江別コロニーの営巣木にトタンを巻く作業を行いました。これは3月10日にコロニーを調査し、営巣木にアライグマの爪痕を多数確認したことを受けての措置です。作業当日はアオサギ数羽がコロニーに飛来しはじめたばかりの時期で、営巣活動はまだ見られていませんでした。なお、当コロニーのある場所は江別市所有のため、作業にあたっては市の治水課の許可を得て行っています。

1日目の3月15日は、当会から7名、ボランティアで来られた方3名の合計10名、2日目の16日は2名で作業を行いました。また、2日目は道新の方が取材に来られました。作業内容自体は単純なもので、アオサギの巣が確認されるすべての木にトタン板を巻き付けるというものです。こうすることでトタン板が障害となり、アライグマがアオサギの巣へ上っていけなくなるわけです。トタン板は営巣木の幹の地上約1mの高さのところに、約60cm(厚さ0.3mm)の幅で巻きつけました。

ところで、アオサギのコロニーではアライグマはもっぱらヒナを捕食しているようです。このため、今回の防除対策の効果が判明するのはヒナがあるていど成長した5月半ば以降になると思われます。結果についてはいずれここでも報告する予定ですので、ご関心のある方は是非ご覧いただければと思います。

【追記】この作業の状況は写真のとおり4月21日の道新朝刊で紹介されました。とても丁寧に取材していただいただいたと思っています。さて、気になるその後のコロニーですが、春先は35つがいほどで営巣していたのですが、ヒナが生まれ始めて間もなく次々に巣が放棄されていき、大変残念なことに、5月末に1羽見かけたのを最後にコロニー全体が完全に放棄されてしまいました。おそらく、江別コロニーの樹林構造ではトタンを巻くという対策だけでは十分でなかったのでしょう。この顛末については近いうちにもっと詳しい報告をするつもりです。