北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

平取コロニー

コロニーの位置(大きな地図で見る

平取町荷負の国道237号の両側に位置する。ただし、現在は道路の西側にあったコロニーは消滅し、東側のコロニーのみとなっている。コロニーはどちらも平坦なカラマツ林内にある。西のコロニーは幅15mから25mの薄い林で、北側はカラマツ林の伐採跡が約40m続き、その先はガソリンスタンドである。南側は砂利工場に面している。東のコロニーはカラマツ林の中央にある。カラマツ林の北と東には広葉樹林が続き、南側は民家の敷地になっている。両コロニーは国道を隔てて東西に約60m離れている。西のコロニーの約300m西方には幅約500mの二風谷湖が横たわっている。

西のコロニーの全景

2002年10月23日に行った調査では、カラマツ57本に計78巣(西のコロニー:38本58巣、東のコロニー:19本20巣)を確認した。両コロニーとも林床は一面ササで覆われていた。西のコロニーでは中低木にミズナラなどが見られた。営巣面積は約1,900m2(西:1,000m2、東:900m2)であった。

東のコロニーの全景

コロニーに隣接する川上砂利工業の川上夫妻によると、コロニーができたのは1992年頃で、その後アオサギの数は徐々に増えてきたという。また、コロニーができた当初から2001年までは西の林でのみ営巣していたが、2001年の夏に西の林の大部分を伐採したため、翌2002年には残された西の林と東の林の両方で営巣するようになったという。また、川上氏によれば、西の林は2003年には完全に放棄され、全て東の林に移ったということである。なお、二風谷ダムはコロニーができた後の1997年に完成している。このコロニーの北東約16kmにある養魚場ではアオサギによる食害があり、池をネットやビニールハウスで囲むなど対策を講じているが、被害を根絶するまでには至っていない。

コロニーの周辺環境
西のコロニーの内部
東のコロニーの内部