じゅんさい沼コロニー
七飯町西大沼、じゅんさい沼西岸のハンノキ林にある。林は沼以外の方向はヨシ原で囲まれている。ヨシ原には西から北にかけて小舟が入れる程度(巾約3m)の水路が掘削されており、林の北東にあるドーナツ状の小さな沼付近まで達している。ヨシ原の周囲には再びハンノキ林が広がっている。コロニーの近くには直径10m内外の円い島が4つある。
2003年11月25日に行った調査では、ハンノキ55本に112巣を確認した。なお、このコロニーではカワウも営巣しているが、アオサギとカワウの巣を判別することはできず、全てアオサギの巣としてカウントした。コロニー内の高木としてはハンノキの他にはヤチダモが見られた。低木にはアズキナシなどが見られた。林床はヨシ原であるが、ミズバショウも多く、多少湿地状になった部分もあった。また、林内はギャップになっている部分が多かった。営巣面積は約4,300m2であった。
七飯町役場の田中正彦氏によると、このコロニーは少なくとも1993年か1994年頃には確認されていたということである。また、この辺りでアオサギを見かけるようになったのは1980年代の終わり頃からであるという。大沼漁業協同組合の宮崎司氏によると、1990年代末か2000年代初めには、コロニー前の小島でも営巣していたそうである。田中氏によると、ここのアオサギは毎年3月17、8日頃に飛来するという。また、この地域では数羽のアオサギが越冬しているということである。函館市立博物館の佐藤理夫氏によると、このコロニーからはやや離れるが、函館市内の常磐川でも越冬個体が見られるという。田中氏によると、このコロニーでは2002年からカワウがアオサギとともに営巣しはじめ、2003年にはカワウの巣を10巣ほど確認したということである。宮崎氏によれば、カワウは2000年か2001年頃から沼で見られるようになったという。