上利別コロニー
陸別町上利別原野の牧場に隣接する広葉樹林にある。コロニーはこの森の東の林縁に位置し、その東側は牧場で開けている。コロニーの西側にはオニグルミとハルニレを主体とした平坦な広葉樹林が広がり、約150m先の利別川まで続いている。コロニーは牧場への上り斜面(高さ約4m、斜度20-40度)上にある。なお、牧場は広葉樹林内にも続いており、コロニー直下やその周辺にも馬が放牧されている。
2004年11月7日に行った調査では、ハルニレ2本とオニグルミ1本に、計16巣を確認した。コロニー付近の高木としては、この他にハンノキなどがあった。低木にはミヤマイボタなどが見られた。また、林床にはササ、フッキソウ、エゾノギシギシなどが見られた。営巣面積は約50m2であった。
コロニーに隣接する上村牧場の上村氏によると、コロニーができたのは1994年から1996年頃で、最初は2羽ないし4羽で営巣していたが、その後、次第に増えたという。なお、このコロニーを観察するには牧場の敷地内に入る必要があるが、コロニーの存在が知られ多くの人が訪れると仕事に差し支えることから、情報の公開は慎重にしてほしいということであった。