北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

金山湖コロニー

金山湖とコロニーのある林

南富良野町幾寅、金山湖南岸の平坦なカラマツ林に位置する。コロニーの北側は斜度40度ほどの広葉樹林となり金山湖に至る。南側はコロニーから約20mのところを町道が走り、その先を根室本線が通っている。コロニーの東西にはカラマツ林が続く。

2002年12月9日の調査では、カラマツ103本とトドマツ1本に、計148巣を確認した。枯れ木はほとんど無かった。低木にはまばらにトドマツやハルニレが見られ、林床はササが優占していた。営巣面積は約2,200m2であった。

1990年4月13日に松田あおい氏が行った調査では、カラマツ48本、トドマツ3本、ケヤマハンノキ3本、シラカンバ、キハダ、ミズナラ各2本、サワシバ、シナノキ、ハルニレ、エゾイタヤ各1本の10種64本に、使用巣69と古巣17を確認している。当時の営巣面積は約500m2である。なお、この調査時にはカラマツ林だけでなく湖畔に面した急斜面の広葉樹林にもコロニーが広がっている。また、1987年の夏に野生生物情報センターが行った調査の際にも、コロニーの範囲は両方の林にまたがっていたということである(野生生物情報センター資料より)。

朝日新聞の記事(1987.1.4)によると、このコロニーは1981年に確認されたもので、巣数は、1984年16巣、1985年28巣、1986年38巣であったという。南富良野町の山田氏によると、ここのアオサギは金山湖の氷が解けはじめる3月20日過ぎに飛来するそうである。また、コロニーの範囲は毎年少しずつ東のほうへ移動しているという。この近くには1980年頃から養殖場があり、当時はアオサギが飛来していたが、テグスを張ってからは来なくなったという。また、南富良野町の小林氏によると、金山湖は6月に満水になるが夏には減水し、コロニー付近の水はほとんど無くなるということである。また、渇水期の湖底にはむかし砂利を採った穴がいくつも残っており、これに水が貯まってアオサギのエサ場になっているという。なお、この林はもともと民有林であったが、伐採の恐れがあったため、1987年に南富良野町が7,960m2を185万円で買い上げている。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部