北見コロニー
北見市相内の無加川右岸にある。コロニーがあるのは河川敷から河岸段丘斜面にかけての広葉樹林である。また、コロニーの一部は上部平坦地にも達している。段丘は高さ約13mで、全体に斜面の浸食、崩壊が激しい。斜面の傾斜は平均約40度である。コロニーの東西は斜面に沿って広葉樹林が続く。コロニーの北側は、ヤナギなどがまばらに生える河川敷を隔てて無加川に面している。コロニーの南側は一部にカラマツ林がある他はほとんど畑である。
2002年12月30日の調査ではコロニー内には立ち入らず、コロニー前面の河川敷から営巣木と巣の数をカウントした。その結果、ケヤマハンノキ13本、ハルニレ4本、ハンノキ、ヤチダモ、ハリギリ各1本、不明種9本の他、重複して正確にカウントできない営巣木(全て広葉樹)がおおよそ19本あった。また、これらの営巣木におおよそ179巣を確認した。
また、1993年11月21日と22日に行った調査では、営巣木59本に計190巣を確認している。さらに、1990年10月14日に松田あおい氏が行った調査では、ヤマナラシ15本、ケヤマハンノキ10本、カシワ7本、ハリギリ7本、ハルニレ6本、シラカンバ5本、ヤチダモ3本、イタヤカエデ3本、カツラ2本、不明種(枯木)3本の9種61本に、使用巣169、古巣4を確認している。1990年当時の営巣面積は約7,000m2である。
北海道野鳥愛護会の富川徹氏によると、アオサギがこの場所で営巣を始めたのは1975年だという。それ以前は無加川の約2km上流にコロニーがあったのだが、その林が伐採されることになった際、現コロニーの林の所有者が旧コロニーから3巣を持ち帰り、現コロニーの木に取り付けたという。それが1974-75年の冬のことであり、その年を最後に旧コロニーは消滅し、現コロニーで営巣が開始されている。旧コロニーが成立した年については不明であるが、当時の規模は20から30巣はあったという。