芽登コロニー
足寄町芽登、牧草地の広がる平坦地に広葉樹林とカラマツ林にまたがってある。コロニーの西側はシラカンバ林が続き、東側はカラマツ林の伐採跡と牧草地で開けている。コロニーの大部分は平坦地にあるが、コロニーの中央には約2mの段差があり約30度の斜面となっている。コロニーの南端は巾約2mのカラマツ林であり、これ以南は牧場である。
2002年12月12日の調査では、ハルニレ9本、カラマツ3本、シラカンバ1本の3種13本に、合計15巣を確認した。コロニーの林床はササで覆われていた。営巣面積は約1,700m2であった。
コロニーに隣接する牧場の桜田氏によると、この場所でアオサギが営巣したのは2000年が最初で、その年のアオサギは2002年と比べるとごく少数だったという。また、コロニーの近くの阿部牧場の阿部氏によると、2001年にコロニーの東にあったカラマツ林が伐採されたが、伐採されたカラマツ林では営巣していなかったようだという。
なお、このコロニーの北約2kmの地点には、かつて別のコロニーがあったことが知られている。場所は美里別川右岸の急斜面にある広葉樹林内で、美里別川を挟んだ対岸は砂利採取場や牧草地で開けた環境である。この旧コロニーについては1990年4月13日に松田あおい氏が調査しており、ミズナラ5本、ハルニレ2本、ハリギリ1本、エゾイタヤ1本の4種9本に、使用巣47、古巣5を確認している。当時の営巣面積は約2,000m2である。なお、旧コロニーは1988年に初めて確認されている。地元の桑尾牧場の桑尾氏によると、1999年ないし2000年以降はアオサギの姿を見かけなくなったという。旧コロニーが放棄された年は不明であるが、旧コロニーのアオサギが現在のコロニーに移動してきた可能性は高いと思われる。