北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

西春別コロニー

コロニーの全景

別海町西春別、酪農地帯の防風林内にある。この林はもともと鉄道の防風林であったが、ここを通る路線(標津線)は1989年に廃止されている。防風林はカラマツが主であるが、アカナラなど広葉樹の多く混じる林分もある。コロニーがあるのはほぼカラマツだけで構成された林内である。コロニーの約40m北東には広域農道が通っており、農道の先はさらに防風林が続いている。北西方向は約60mで牧草地、また南西方向は約10mでカラマツの伐採跡となりいずれも開けた環境である。林の南東には軌道跡を隔てて約50mで向かい側のカラマツ防風林があり、この林にも営巣木が飛び地のように分布している。こちらの林は西側の林に較べカラマツの密度は高い。

2002年12月31日の調査では、営巣木は全てカラマツで13本あり、計13巣を確認した。コロニー内の低木にはエゾニワトコなどが見られ、林床はササが優占するほか、ホザキシモツケなどが見られた。営巣面積は約250m2であった。

付近の牧場の人の話では、このコロニーは1996年ないし1997年につくられたということで、最初は3巣だったが、年々増加したということである。また、このコロニーにアオサギが初飛来するのは例年3月下旬であるという。なお、コロニーのある林は別海町の町有林で、2001年に伐採の予定であったが、アオサギに配慮してほしいという地元住民の意見を取り入れ、コロニーがある部分については伐採を取りやめている。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部