小平コロニー
小平町本郷のカラマツの防風林にある。林の周囲は小平蕊川流域に広がる水田地帯である。カラマツ林は南北に約400mの長さがあり、コロニーはこの林の中程からやや北にある。林の西側は直接水田に接しているが、東側は林に沿って民家が数件あり、道路を隔てて水田となる。
2002年11月8日に行った調査では、カラマツ83本に87巣を確認した。林床にはオオウバユリなどが見られた。営巣面積は約3,600m2であった。
地元の人によると、このコロニーができたのは1992年頃だという。なお、当時はこのコロニーの南西約800mの山の斜面に別のコロニーがあり、ここからの移動があったものと考えられる。現在、山のコロニーは消滅しているが、放棄された年は不明である。そのため、両コロニーが一時期併存していた可能性もある。旧コロニーがあったのは山の中腹の起伏の多い急斜面で、周囲の植生はわずかにトドマツが混じる針広混交林である。旧コロニーは1992年10月28日に調査しており、広葉樹80本に129巣を確認している。当時の営巣面積は約4,000m2である。地元の人の話では、旧コロニーは1962年前後にはあったということであるが、コロニーが成立した正確な年は不明である。なお、旧コロニーが消滅した原因については、コロニー付近の木を伐採したためではないかと言われている。
なお、コロニーの付近では水田の苗がアオサギに踏みつけられるという被害が出ている。また、旧コロニーについては、かつて新聞報道の申し入れがあったが、要請を受けた小平町は繁殖への悪影響を懸念し断っている。