雷電岬コロニー
岩内町敷島内、雷電岬近くの山の斜面に位置する。コロニーの北から西にかけては日本海で開けている。コロニーのある斜面は大きくえぐれた沢と痩せ尾根から成り、45度以上の急傾斜で北北東に面している。斜面の植生は広葉樹である。コロニーから約40m下に国道229号が走っており、コロニーの真下をトンネル(刀掛トンネル)で抜けている。コロニーの北東には約250m離れて雷電温泉がある。
2003年11月22日に行った調査では、シナノキ17本、イタヤカエデ8本、ハリギリ3本、ナナカマド、ミズナラ、エゾヤマザクラ各1本、不明2本の6種33本に、合計53巣を確認した。高木としてはこの他にカシワなども見られた。低木には、シナ、ハリギリ、エゾニワトコなどがあった。林床の草本には、クマイザサ、ヨモギ、オククルマムグラ、ナニワズなどが見られた。なお、崖でほとんど植生の無いところもあった。営巣面積は約1,300m2であった。
寿都道路建設事業所によると、刀掛トンネルの付け替え工事に際し、雷電ホテルの従業員からアオサギの営巣状況を聴取したところ、このコロニーは1990年にふたつがいが営巣を始めたのが最初だという。なお、同事務所によると、トンネル工事(1999年竣工、2002年完成)に際してはアオサギの営巣に配慮し、コロニーとは反対の入口から掘り進み、アオサギの巣立ち後にコロニー側の入り口に穴を空け貫通させたということである。
雷電ホテルの従業員によると、このコロニーのアオサギは例年3月20日頃に飛来するそうである。また、近年はコロニーの営巣範囲が東のほうへ拡張しているという。