北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

留萌コロニー

コロニーの全景

留萌市大和田、国道233号に面する山の斜面にある。コロニーから国道までは約40mで、さらに20mで留萌本線、その先に留萌川が流れている。コロニーのある斜面には段差があり、平均斜度は約30度である。林はほとんどが広葉樹であるが、ごくわずかに針葉樹が混じる。コロニーの南側は尾根を越えるとシラカンバなどの細い木が密生する林になる。

2002年11月6日と7日に行った調査では、キハダ14本、シラカンバ10本、イタヤカエデ8本、ハルニレ5本、シナノキ5本、ケヤマハンノキ4本、ミズキ3本、ホオノキ2本、ミズナラ2本、ハリギリ2本、アズキナシ1本、ナナカマド1本の12種57本に、合計173巣を確認した。コロニー内に針葉樹は無かった。低木にはオオカメノキなどが少数見られた。林床は一面ササで覆われていた。営巣面積は約1,600m2であった。

また、1992年10月28日の調査では、広葉樹55本に74巣を確認している。当時の営巣面積は約1,800m2である。

地元の人の話では、このコロニーは1987年頃にできたということで、個体数は最初の年は少なかったものの翌年から一斉に増えたそうである。また、コロニーの場所は以前に比べると東から西へ移動したということである。ここのアオサギは3月20日頃に飛来するという。なお、近くの水田ではアオサギによる稲の踏みつけ被害が出ている。

現在、コロニーの北側に位置する大和田地区では、遊水地建設のための大規模な工事が行われている。これに伴い、留萌川の流路が一部で切り替わり河跡湖ができるなど、コロニー周辺の水辺環境は大幅に変わりつつある。遊水地の完成は2009年の予定である。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部