鹿沼コロニー
厚真町鹿沼、丘陵地の縁のカラマツ林内にあったが、現在カラマツ林はなく、コロニーは消滅している。カラマツ林があったのは平坦地で、林の北側には樹高の低い落葉広葉樹林が続いている。西および南側は畑や水田の広がる開けた環境である。
1992年11月26日の調査では、カラマツ9本、ミズナラ1本の2種10本に、合計11巣を確認している。また、1990年3月23日に松田あおい氏が行った調査では、カラマツ20本に、使用巣24、古巣10を確認している。当時の営巣面積は約800m2である。
この林の所有者によると、ここで営巣しはじめたのは1987年か1988年頃のことで、それ以前はこのコロニーの西方にある森で営巣していたという。そのコロニーは1955年頃には既にあったらしいが、多くなったのは1970年頃だという。その後、畑造成に伴う伐採により消滅し、規模を縮小して当コロニーに移ってきたということである。なお、旧コロニーがあった場所については不明である。また、当コロニーは1991-92年の冬にほとんどの営巣木が伐採されたためほぼ壊滅した。ただし、1992年6月6日の調査では、伐採跡の周囲で数つがいが営巣しているのを確認している。このコロニーについては放棄された正確な年は分かっていないが、1993年以降の早い段階で完全に放棄された可能性が高いと思われる。なお、このコロニーの周辺では、水田での稲の踏みつけ被害が生じていた。