鹿追コロニー
鹿追町美蔓、牧場裏山の広葉樹林に位置する。コロニーは北東に面した斜面上にあり、緩やかな下部斜面(約10度)と急な上部斜面(約30度)の両方にまたがっている。コロニーから約10mで上部平坦地のカラマツ林に至る。コロニーから牧場の敷地までは約35mである。コロニーの北西および南東は同じような林相の斜面が続く。この斜面は小さく浅い沢形により多少の起伏がある。
2002年12月10日に調査したところ、コブシ8本、カツラ7本、ハルニレ7本、シナノキ5本、ハリギリ、ヤチダモ、イタヤカエデ各2本、ホオノキ、ミズキ、イヌエンジュ各1本、不明種3本の10種39本に、合計118巣が確認された。コロニー内の低木としては、ノリウツギ、エゾニワトコ、ハルニレ、シナノキなどがあり、林床はササが優占していた。営巣面積は約4,500m2であった。
また、1992年10月21日に行った調査では、営巣木19本に45巣を確認している。当時の営巣面積は約1,000m2である。
コロニーに隣接する牧場の人によれば、このコロニーができたのは1987年頃であるという。最初は1ないし2つがいで斜面上部に営巣していたが、その後営巣数が増えるにしたがって斜面下部へもコロニーが広がったという。また、コロニーの北東約200mのところに貯水池があり、アオサギの餌場としても利用されている。この貯水池が造られたのはコロニーが形成されたのとほぼ同時期である。