塘路湖コロニー
標茶町塘路、塘路湖南岸にある平坦なカラマツ林に位置する。カラマツ林の北端は広葉樹の林縁になっており、その先は湿地である。南側は約20mで道道221号に出る。東側は概ね広葉樹の林で、コロニーの東約30mのところを小径が南北に横切っている。営巣木の大部分はこのカラマツ林にあるが、約90m西方の小さなカラマツ林にも数本の営巣木がある。ふたつのカラマツ林の間は広葉樹林と湿地で隔てられている。
2002年12月19日と20日の調査では、カラマツ182本に合計204巣を確認した。コロニー内の低木としては、ヤチダモ、エゾニワトコ、シウリザクラなどが見られた。林床はササが優占していた。営巣面積は約5,600m2であった。
1993年11月15日の調査では、営巣木75本に75巣を確認している。また、1992年11月23日の調査では、カラマツ30本に30巣を確認している。1992年当時の営巣面積は約1,000m2である。
標茶町郷土館の青山俊生氏によると、このコロニーは1991年につくられ、最初は2、3巣だったという。また、同館の渋谷千尋氏らが非繁殖期に行った調査では、1999年に129巣、2000年に135巣、2001年に172巣、2002年に186巣(西のカラマツ林は未調査)を確認している。また、道東アウトドアーズの杉沢拓男氏によると、この付近には湧水が多く結氷しない水域が多いため、1982年以前から越冬個体が見られ、多い年は15、6羽が越冬しているという。