北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

ウトナイ湖コロニー

コロニーがあった辺りのハンノキ林

苫小牧市植苗のウトナイ湖畔にあったが現在は放棄されている。コロニーがあったのは、美々川の河口から約400m西のハンノキ林である。コロニーの北にはハンノキ林とヨシ原が広がり、南側は約15mのヨシ原を隔ててウトナイ湖である。現在、ハンノキ林とヨシ原の間には遊歩道が通り、コロニーのあった場所の数十m東には鳥の観察小屋が立てられているが、これらはいずれもコロニーが発見された当初は無かったものである。

千歳市の木村与吉氏によると、このコロニーが初めて目撃されたのは野幌の放棄があった1997年頃という。したがって、野幌にいたアオサギの一部がここに移ってきた可能性がある。また、このコロニーについては他に目撃情報がなく、その年限りの一時的な営巣だったのかもしれない。木村氏によると、当時はハンノキに10巣くらいが確認できたという。

コロニーの位置(大きな地図で見る

なお、ウトナイ湖、およびその周辺地域では、1971-72年の冬にはじめて越冬個体が確認されている(紀藤 1978)。越冬個体は、1985-86年の冬には最大25羽が確認されたが、その後次第に減少し、2001-02年の冬には1羽も確認されていない(苫小牧市 1991)。しかし、ゆうふつ原野自然情報センターの村井雅之氏によると、2004年現在でも越冬個体はいるということである。

参考文献
紀藤義一 1978 明野アオサギコロニー調査報告書 苫小牧自然保護協会 1-33
苫小牧市 1991 苫小牧市の環境

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