北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

吉野コロニー

コロニーの全景

浦幌町吉野の畑の中の孤立林にある。林の北西約200mには国道38号が走っている。林の東側には旧浦幌川が流れているが、水量は極めて少なく流路のはっきりしない巾約12mの湿地になっている。林は東から西に向けたごく緩やかな斜面上にあるが、東の林縁は高さ7m、斜度約45度の急斜面になっている。林の植生は広葉樹主体で、コロニーは広葉樹の緩やかな斜面を中心に位置している。

2004年11月6日に行った調査では、ハルニレ34本、シラカンバ20本、ケヤマハンノキ14本、オニグルミ6本、ヤチダモ、ミズナラ、キハダ各1本の7種77本に、計183巣を確認した。コロニー内の中低木には、ミズナラ、ハルニレ、マユミ、ケヤマウコギ、トドマツ、ストローブマツなどが見られた。林床は膝丈程度のササが優占し、他にはフッキソウ、ハンゴンソウ、トクサなどが見られた。営巣面積は約2,800m2であった。

コロニーの近くのドライブイン「よしの」の経営者によると、このコロニーは2001年か2002年にできたということである。また、最初の年は2、30羽で営巣をしていたが、その後、毎年増えているという。なお、このコロニーの北西約5kmにあった浦幌コロニーが2003年を最後に消滅していることから、浦幌コロニーのアオサギが数年をかけて移動してきた可能性が高いと考えられる。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部