赤井川コロニー
赤井川村赤井川、町はずれのやや高台になった孤立林にある。周囲には民家や村の施設などが点在する。林は概ね平坦であるが、北から南へかけてごく緩やかに傾斜している。林の植生はカラマツが主体で、部分的にヤチダモやシラカンバがまとまって分布している。巣があるのはカラマツ林である。
2004年11月22日に行った調査では、カラマツ1本に1巣を確認した。ただし、このコロニーは同年9月の台風18号で大きな被害を受け、林内の様相は繁殖期とは一変していた。調査時には倒木を整理するため林の中央部分は伐採されていたが、この範囲に営巣木があった可能性は高いと思われる。なお、同年6月29日にコロニーの外部より観察したところ、11月の調査とは別の場所でひとつがいが営巣しているのを確認している。巣の周辺の高木にはカラマツの他、シラカンバ、ヤチダモ、ドロノキが見られた。低木にはミズナラ、イタヤカエデ、ハリギリ、ハルニレ、キハダ、ヤマグワ、エゾニワトコなどが見られた。林床は腰から胸くらいの高さのクマイザサに一面覆われているが、わずかにアキタブキなども見られた。ただし、伐採跡のかなりの部分は裸地化していた。
コロニーに隣接する赤井川へき地保育所の森建丸氏によると、このコロニーは2000年ないし2001年にできたそうである。また、2004年には4つがいが営巣しているようだったという。
なお、このコロニーの1.5km北東の防風林に別のコロニーがあったがすでに放棄されている。この防風林は丘陵のなだらかな斜面を登り切ったところに位置し、巾約70mで南北に伸びている。林の植生はカラマツが混生する広葉樹林である。林の両側には一軒ずつ民家があるが、それ以外は畑が広がっている。この民家の川崎氏によると、コロニーができたのは2000年か2001年で、2002年を最後に消滅したということである。また、その間、ひとつがいないし2、3つがいが営巣していたという。