門別コロニー
門別町正和、厚別川と里平川の出会い部分に位置する。コロニーがあるのは孤立したトドマツ林で、この林の東西をふたつの川が流れ、林の南で合流している。林の東側は里平川を隔てて新冠町新和の町が広がっている。林のすぐ北側は道道80号で、道路の向かい側は高台になって民家が点在する。林の西から南にかけては牧場などで開けている。
2005年2月23日に行った調査では、トドマツ89本に98巣を確認した。低木にはオニグルミ、ハリギリ、ミズナラ、ホオノキ、エゾニワトコなどが見られた。営巣木は約3分の1が枯死木であった。営巣面積は約1,000m2であった。
1992年10月24日の調査では、カラマツ72本とシラカンバ1本に合計105巣を確認している。また、1990年4月23日に松田あおい氏が行った調査では、カラマツ89本とシラカンバ1本に、使用巣97、古巣9が確認されている。このときの営巣面積は約5,000m2である。
地元の人によると、ここに営巣するようになったのは1989年からだという。この年まではコロニーの南約1kmのところに別のコロニーがあったが、翌年に消滅していることから、営巣場所が移動したものと考えられる。放棄されたコロニーは1983年には確認されており、約30羽が生息していたとされている(室蘭民報 1983.5.19)。また、1986年には生息数が 100羽近くまで増えたとされ(日高報知 1986.7.13)、翌1987年には営巣数56が確認されている(日高支庁自然保護係の調査による)。また、1987年8月6日に野生生物情報センターが行った調査では、オオバヤナギ、ミズナラ、コナラ、ヤチダモなどに45巣を確認している。
地元の人によると、現在のコロニーの近くでは周囲数百mの範囲内に3ヶ所で巣作りをしたことがあったそうである。なお、1992年当時に営巣していたカラマツ林は同年もしくは翌年に皆伐されたが、これはアオサギによる稲の踏みつけ被害に困っていた人たちが、林の所有者に頼んで営巣木を伐採してもらったものである。この後、アオサギはカラマツ林の北側に残されたトドマツ林に移動して営巣を続けている。当時はカラマツ林のほうがトドマツ林より樹高が高かった。
地元の人によると、ここのアオサギは例年3月5日頃に飛来するという。