押帯コロニー
本別町押帯、丘陵斜面の針葉樹林内にある。丘陵の上部は平坦な牧草地で、丘陵の南東側には牧場と畑が広がっている。コロニーは牧場に面した斜面(斜度約25度)にある。この林は広葉樹とカラマツ林、およびトドマツ林主体の林分に分かれており、このうちコロニーがあるのはカラマツ林とトドマツ林である。この斜面には丘陵上部に至る林道がコロニーを横切って通っている。
2004年11月7日に行った調査では、カラマツ5本とトドマツ2本に、計7巣を確認した。コロニー内の高木としては営巣木の他、シラカンバ、ドイツトウヒなどがわずかに混じっていた。中低木にはカシワ、ミズナラ、ハリギリ、ケヤマウコギなどが見られた。また、場所によってはエビガライチゴが密生していた。林床は膝丈程度のササが優占していた。営巣面積は約2,500m2であった。
コロニーに隣接する山田牧場の山田氏によると、このコロニーができたのは2001年で、その後、徐々に個体数が増えたということである。また、最初はカラマツ林のみの営巣であったが、2004年からトドマツ林にも営巣するようになったという。このコロニーは猛禽による襲撃があるそうで、同氏はコロニー付近の上空でアオサギが猛禽に捕らえられるのを目撃したということである。同牧場では、牛がアオサギの声に驚いて怪我をするという被害があり、2003年に営巣木を伐採している。しかし2004年も営巣は行われており、現在は牧舎で有線放送を流し牛を音に慣れさせているという。