北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

篠路コロニー

コロニーの全景

札幌市北区篠路、町はずれの住宅地に囲まれた公園の一角にある。この森はもともと農家の屋敷林であったが、1997年に札幌市が買い取って公園(「五戸の森」)として整備したものである。そのため、針葉樹、広葉樹とも本来自生しない樹種が多く植えられている。公園内にはコロニーを取り巻くように遊歩道がつけられており、ここを散歩で訪れる人も多い。また、コロニーの西側を半周するように小川が流れている。

2002年10月21日に行った調査では、アカマツ16本とトドマツ2本に、合計25巣を確認した。この林の高木としては、これら以外に、ミズナラ、ハルニレ、ハリギリ、オニグルミ、サイカチ、トチノキ、ケヤキ、イチョウなどが見られた。低木にはイチイやヤマグワなど、林床の草本にはオオウバユリ、ササ、ケチヂミザサなどが見られた。営巣面積は約600m2であった。

この屋敷林の地主であった秋山氏によると、公園になる前はアオサギは営巣しておらず、コロニーは1997年に初めてつくられたという。なお、この年は約20km南東にあった野幌コロニーが放棄された年であり、野幌にいたアオサギの一部が篠路に移動してきた可能性が高い。

このコロニーは町中にあることに加え、間近にアオサギの営巣を見ることができるため、アオサギの写真撮影や観察を目的にした人が頻繁に訪れている。このコロニーは閑静な住宅地にあるが、付近の住民からは目立った苦情は出ていないようで、むしろアオサギがいることを目当てに移り住んだ人もいるという。

札幌市の安藤氏によると、このコロニーには2003年にダイサギが2羽飛来したが、4月末頃に1羽がライフルで撃たれるという事件が起きている。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部