アオサギの有害駆除に係る問題点に関する報告

Report on the Problems of Grey Heron Control in Japan

2.(1) 種としての保全上の位置づけ

アオサギ(Ardea cinerea)は旧大陸(アジア・アフリカ・ヨーロッパ)に広く分布し、個体数も多い(注1)。このため、IUCNのレッドリストでは「軽度懸念(LC)」に分類されており、現在、種としての絶滅が心配される状況にはない。また、日本に生息する亜種 jouyi(サハリン南部から東南アジアにかけて分布)は、基亜種 cinerea に次ぐ分布域と個体数を有すると見られており、亜種としても保全上の差し迫った懸念があるわけではない。しかし、地域レベルで見ると、過去には過度の駆除が一国のアオサギを絶滅寸前にまで追い込んだ事例(注2)もあり、駆除が個体群の存続に重大な脅威となってきたのも事実である。

もくじ

・ はじめに
1. 調査の概要
2. アオサギの置かれている現状
3. アオサギ駆除の現状
4. アオサギの駆除に係る問題と問題解決のための提案
5. アオサギの管理指針
6. 都道府県への提言
・ 図表
・ おわりに

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